3歳と5歳を日英バイリンガルで育てています。
Q.子どもに英語の歌や映像をみせて英語を学んでほしい。
意味がわからなくても、ただ流しておくだけでいいの?
という質問をいただきました。
わたしの考えでは、答えは YES と NO です。
結論から言えば、意味がまったくわかっていない状態で英語を聞いても英語がわかるようにはなりません。
ただ、英語の音と絵や映像を組み合わせたりすることで、「単なる音」と「その音がどんな意味なのか」を結びつけることはできます。そうすることで言葉がわかるようになるでしょう。
それから「英語の音」に慣れるという意味ではとても有効な手段だと思います。
■ 英語の音と臨界期
ただ流しておくことの目的が
「英語の音に慣れる」また「潜在意識のなかに英語の音を残す」
ということなら、意味がわからずに聞いていても役に立つでしょう。
人が言葉を学ぶときに注意する点のひとつとして、臨界期というものがあります。
■ 臨界期とは?
一般的に早くて6歳、(諸説では10歳まで、というものも)、遅くても12、3歳までにその言語を学ばなければ、いくらがんばってもネイティブスピーカー並みにはなれない、という言語習得理論のひとつです。
ここで一番習得が難しいとされるのは、その言語の音を聞き分ける耳をつくること。
音楽でいう、絶対音感のようなものだと思ってもらえればいいと思います。
大きくなってから言葉を学んだとします。
その人の努力とトレーニングによって、文法や発音などネイティブスピーカー並みにマスターすることは可能です。
臨界期説では、その言語特有の、というか、自分の母語(第一言語、わたしたちの日本語ですね)にない音を聞き分ける能力が、臨界期のあと閉ざされてしまう、という人間の性質を指摘しています。
たとえば、わたしの経験ですが、わたしは13歳から英語を始めました。
そう、臨界期の後です。
発音はネイティブ並みとアメリカ人からもお墨付きですが、どうしてもLとRの発音が耳だけでは判別できないのです。
発音は口使い方を覚えればなんでもできるようになります。でも、日本語にない音を聞き取る、というのはわたしには無理なのです。
問題の単語のスペリングがわかれば、問題なく発音もできるし、音も耳からではなく、頭でLとRの判別がつきます。でも、はじめて聞く単語やつづりがあやふやなものは、その「る」の発音は「L」なの?「R」なの?とその都度確認しなければならないとっても不都合なクセなのです。
■ 言葉を学ぶときに一番大切なもの
言葉を学ぶときに一番大切なものは何だかご存知ですか?
それはシャワーのように浴びるインプット量です。
インプットの量が多ければ多いほど、子どもの脳の中にその言葉を理解したり、使ったりする回路ができるといわれています。
ここで大事なのは「聞く言葉」と「会話の意味」がつながっていなければならない、ということです。
赤ちゃんが言葉を覚えるのと同じですね。
毎日毎日周りの人が何も分からない赤ちゃんに話しかけます。
「今からおふろにはいるよー。」「あったかいねー。きもちいいねー。」「あー、さっぱりしたね。」
これをお風呂にはいるという体験を通して(意味)、赤ちゃんの中で「お風呂にはいる」ときに経験したもやもやした気持ちが、「あったかい」「きもちいい」「さっぱりする」(音、言葉)ということだと理解するのです。
ということで、「音」と「意味」をくっつけてインプットするということ。
これがポイントです。
■ まとめ
英語の音に慣れる、という意味で聞き流すのはとてもいい方法だと思います。
楽しみながらいっしょに歌や絵本などをいっしょに聞いたり読んだりするのがいいと思います。
親が英語について「楽しい」「おもしろい」という前向きな気持ちを子どもに伝わるようにするのが鍵です。
子どもは敏感に親の期待を察知し、それに応えようとします。
親も英語を日常の一部として生活しているのだ、とわかれば、その子にとっての英語は人生の一部であると理解することでしょう。
何より、やる気を育てることが一番です。
英語習得には、継続することが大事です。英語嫌いになってしまったのでは続けることができずに途中でやめてしまいます。
まずは「たのしい」「いっしょにたのしもう」という姿勢で!
がんばってくださいね!
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